もともとMT車で免許を取ってAT車に乗っている人と、AT限定免許でAT車に乗っている人では、MT車を運転するときの不安が違ってくると思う。AT限定免許の人はMT車で教習をしたことがないから、MT車の知識が全くない。そしてAT車に慣れてしまっている分、AT車の運転の癖がついていて、MT車の操作をとても難しく感じてしまう。
AT限定免許でAT車しか運転したことのない私は、MT車の知識がないためにMT車に対する色々な不安があり、その不安ゆえに上手く運転が出来ないことが多々あった(ある?)。ので、忘れないうちにメモがわりに書いておく。AT限定解除を考えている人で、私と同じような不安や恐怖を感じている人もいると思うので、参考になれば…。
ブレーキを踏むのが怖い
AT車はアクセルとブレーキの2つしかペダルがないので、微妙な速度調節にもブレーキペダルを使う。なので、ブレーキを踏むハードルがとても低い。減速時とか、低速度で前進する時とか、バック時とか、とにかく速度を調節するためにちょこまかとブレーキを踏む。
しかし、MT車では、クラッチを切らずにブレーキを踏んで、速度が落ちすぎると、エンストを起こしてしまうのだ。
AT限定免許の人間がMTに初めて乗るとき、この「エンストするかもしれない」恐怖がものすごく強い。で、エンストが怖くてブレーキを踏むのに躊躇してしまう。そうすると減速がしっかり出来ないままカーブや交差点に入ったりして教官に怒られる(というか危険)。
もしくはエンストが怖くてブレーキを踏むたびにクラッチも切ってしまう…。そうすると今度はエンジンブレーキが効かなくなるので、これまた十分な減速が出来ないままカーブや交差点に入ってしまったり、クラッチを踏んだままカーブに入ってしまったりする。
「ブレーキを踏んで止まったらエンストしてしまう」という恐怖を払拭しないといけない。
それにはこの動画が役に立ちました。
ズバリ、時速何kmでエンストするのか?
1速 時速1kmでエンスト
2速 時速5kmでエンスト
3速 時速10kmでエンスト
時速5kmなんて、歩くスピードくらい?車に乗っていると、時速5kmなんて、ほぼ止まってるくらいに遅く感じると思う。時速10kmも、車上だと徒歩並みの遅さに感じる。なので結論、2速ギアに入っていれば、ほぼエンストしない。だから恐れずにブレーキを踏んで(クラッチ踏まないで)、かなり減速して、超ゆっくり進んで全く大丈夫。
低速、バックが怖い
これも、ブレーキを踏むのが怖いゆえの不安。
AT車の場合は、アクセルとブレーキペダルで微妙な速度調節をするので、アクセル、ブレーキ、アクセル、ブレーキ…というように頻繁にブレーキを踏む。しかしAT車の要領でブレーキを踏むと、MT車はエンストしてしまう。で、クラッチも同時に踏むとなると、右足でアクセル、ブレーキ、左足で半クラ、クラッチ切断…と非常にせわしない。
イタリアの教習では全然テクニックを教わらなかったので、私はMT車のテクニックのほとんどをYoutubeで学んだのだけれど、日本だとAT限定解除の教習でもしっかり教えてくれるのかな?この断続クラッチというテクニック。
MT車はクラッチペダルがあって、クラッチを切ればエンジンの動力が車輪に繋がらないので、坂道でない限り車は止まる。つまり、ブレーキのような役割をしてくれるわけ。ということで、低速の微妙な速度調整にブレーキペダルは不要になる。
「ブレーキ使わないでクラッチを踏み込めばいいんだ!」と気付いた時は目からウロコ。で、不安も一気になくなった。
シフトダウン(減速チェンジ)が怖い
AT限定解除をする人は、すでに免許は持っているので、初めてMT免許を取る人に比べれば、ハンドル操作や加速は難しくないと思う。私もシフトアップ(加速チェンジ)は全く怖くない。教習では、普段AT車で運転する感覚でスピードを上げてしまい、教官によく「速すぎる」と怒られた(教習では法定速度90km/hのところも50km/hで運転しないといけなかった)。
怖いのはシフトダウン(減速チェンジ)だ。というのも、AT車しか運転したことのない私は、シフトダウンについて間違った認識をしていた。つまり「減速するためにギアを低くするのだ」と。
そうじゃないとわかるまでにかなり時間を要した。
シフトダウンは、「減速するため」ではなく、「減速後の加速のため」に行うものなのだ!
間違った認識、つまり減速するためのシフトダウン、シフトダウンしなければ減速しないという思い込みがあると、ブレーキで十分にスピードを落とす前にシフトダウンをしようとしてしまう。そうすると、当然スピードが出たままの状態なので、ギアチェンジの操作が落ち着いて出来ず、結果としてクラッチを切ったままカーブに入ってしまったり、ギアチェンジだけではスピードは落ちないので、高速度のままカーブや交差点に入ってしまったりする。そして、ヒヤッとしてさらにシフトダウンが怖くなる。
というわけで、認識の間違いを正さなければならない。
シフトダウンは減速するためではない。シフトダウンでは減速しない。減速はあくまで「ブレーキ」で!
シフトダウンではこの動画が役に立ちました。
とにかく、減速したいポイントまでにしっかりブレーキを踏んでスピードを落とす。そして、ギアを低速に入れてクラッチを離すまでを完了してから、カーブや交差点に入る。
ブレーキでしっかり減速しておけば、ギアチェンジやクラッチ操作も余裕を持って出来ます。AT車よりも、早め早めにブレーキ、減速、ギアチェンジをする感覚です。
坂道発進が怖い
これは今も怖い…w
イタリアで教わった坂道発進は専ら「ブレーキを踏んだまま半クラを作り、アクセルを踏んで発進」というもの。下の動画の3番目のやり方。
サイドブレーキを使った坂道発進は教わらなかった。
今思うと、教習車はディーゼルだったようで、ディーゼルはガソリン車よりもパワーがあるらしく(車の知識全くありません、あしからず)、発進時とか坂道発進とか、アクセルを踏まなくてもかなり勢いがあった。ので、教習1回目とか、先にアクセルを踏んで半クラを作ったら、急発進してビックリした。ディーゼルの場合、アクセルを踏まず半クラだけでかなり進む(教習2回目以降はアクセルなしで半クラだけで発進するようにした)。
で、その教習車(FIATパンダのディーゼル車)では、このブレーキを踏んだまま半クラを作って、ブレーキ離してアクセル踏んで発進、という方法で初心者でもほぼ失敗することなく坂道発進が出来た。
しかし家の車で同じことをすると、さくっとエンスト起こすんだよね。教習でできるのに、家の車で練習すると失敗ばかりして自信をなくす、という…。
それがディーゼルとガソリンの違いとわかったのは試験直前のことであった…w
というわけで、今は家のガソリン車で練習をしている。教習で習ったやり方を実践しているけれど、家の車は半クラの位置が高くて(多分クラッチがかなり磨耗している)、少し間違えるとすぐにエンストしてしまうので、ブレーキを踏んだままクラッチを半分くらいまで戻して(その位置では私の車はまだクラッチが切れた状態)、そこからブレーキペダルを離してアクセルを踏む、と車はやや後ろに下がる、けれど恐れないでクラッチをもう一息上げる。すると車は前に進み始める。
私の車の場合、半クラができていることを確認してアクセルを踏もうとすると、ブレーキを離す段階で微妙にクラッチも上げてしまうのか、よくエンストを起こしてしまう。なので、エンストを起こさないためには半クラを作る前に多少アクセルを踏んでおいたほうがよい。車が下がる感覚は慣れるまで恐怖ではあるけれど、アクセルを踏んでいればエンストする心配はないので、焦らず丁寧に半クラッチを作ることがコツかな?と思う。
MT車は車によって半クラの位置がみんな違うので、自分の車で練習して慣れていくしかないのかな…。
とりあえず、今思いつくのはこれくらい。
今までATで楽勝だった道がMTだと怖くて仕方ない…w
いつになったら慣れるのか…。