感謝を強要する親

うちの親は、父母ともに「感謝が足りん」とよく言っていました。
子供は親に感謝しなければいけない、子供は親に育ててもらった恩がある、という思考回路で、私に対しても兄に対しても、何かにつけて「親に感謝しろ」と強要しました。

今思えば、子が親に感謝するのは、全くもって義務ではないです。親が子供の幸せを願って、一生懸命に子を育て、その結果、子供が感謝をしてくれたら、それは嬉しいことではありますが、健全な親であれば、子供を育てることは当然であって、感謝されるために、見返りを求めるためにやっているものではありません。

感謝しろ、と強要する親は、子供のために子育てをしているのではなく、自分のために子育てをしているのでしょう…。まぁ、何というか、自己陶酔型というか…。
「私はこんなに一生懸命がんばっている、こんなに子供のことを思っている、そんな私を褒めなさい、感謝しなさい」という感じ。誰かに賞賛されたくて子育てをしている。見返りを求めている。世間から素晴らしい親と見られたい。つまり、子供のためではなく「自分のため」に子育てをしているのです。
だから賞賛が得られないとキレる。

健全な親なら「私はあなたのためにこんなに頑張ったのに」とか、「ここまで育ててもらって何様のつもりだ?」みたいな発言はしないと思います。
私はこんな親の発言を聞いては、「だったら産まなきゃよかったじゃん」「別に頼んでない」と思っていました。

私も今や2児の母ですが、子供の幸せのために全力を尽くすことが私の幸せであり、「育ててやっている」「こんなにしてあげているのに」という発想にはなりません。

両親とも、「親になってみなきゃ、親の気持ちはわからん」とか「親が死んではじめて親の有り難みがわかる」とか、よく言っていました。

2児の母になりましたが、私の両親の気持ちはいまだにわかりません…。