イタリアで今起きていること(緊急政令221号)

12月24日に、新たな緊急政令(第221号)が掲載されました。ますますワクチンの強制接種、マスク着用の強制が進み、自由が侵害されています。

オリジナル(イタリア語)

緊急政令221号抄訳

緊急事態を2022年3月31日まで延長する。(第1条)

ちなみに緊急事態は2020年の1月31日から出しっ放しです。緊急事態中は、議会を通さずとも法律を作ることができるため、独裁政治に陥りやすいことから、イタリア共和国憲法では最大24ヶ月までとされています。しかし、今回、24ヶ月を超える2022年3月31年までの延長が決まりました。憲法が無視され、イタリアはますます独裁国家へと変貌しています。

2022年2月1日以降、COVID-19グリーン証明書は、ワクチン接種サイクル完了の日から6ヶ月間有効とする。(第3条)

COVID-19グリーン証明書(通称グリーンパス、いわゆるワクチンパス)は、ワクチン接種証明か、48時間以内の検査陰性証明を指します。このワクチン接種証明の有効期限が、2回もしくは3回接種後6ヶ月間に短縮されました。実はグリーンパスの有効期限は、8月の導入当初は9ヶ月間有効とされ、10月に全労働者に対しグリーンパスの提示が義務化されたとき12ヶ月に延長され、12月にワクチン接種義務の対象職種が警察官や教員に拡大された際再び9ヶ月間に戻り、今回またさらに短縮されて6ヶ月間となりました。この期間の延長や短縮に、科学的根拠は一切ありません。

2022年1月31日まで、屋外でのマスク着用を義務づける。
また、緊急事態終了まで、劇場、コンサートホール、映画館、エンターテイメントホール、ライブクラブ、その他屋内・屋外の施設で行われる同様の公開イベント、屋内・屋外で行われるスポーツイベント・競技では、FFP2マスクの着用を義務づける。前記の屋内の施設での飲食を禁止する。
緊急事態終了まで、交通機関の利用にもFFP2マスクの着用を義務づける。(第4条)

FFP2マスクは高性能医療用マスクです。

既に、映画館や劇場、サッカーの観戦等はワクチン接種者のみになっているので、このFFP2マスクの着用義務は、ワクチン接種者に対するものです。ワクチンを接種完了しているのに、高性能マスクの着用が義務とは…。では、ワクチンは感染防止に意味がないということでしょうか?いったい何のためのワクチンなのでしょう?疑問に思いませんか?

緊急事態終了まで、飲食店の屋内カウンターでの飲食は、スーパーグリーンパス(注:ワクチン接種証明及び治癒証明のCOVID-19グリーン証明書)所持者に限られる。(第5条)

今までは、バール(コーヒーを立ち飲みできる、イタリアの人々が大好きな地域の社交場的存在)での立ち飲食にグリーンパスは不要でした。しかし今回、立ち飲みにもグリーンパス(しかもスーパーグリーンパス)が要求されることになりました。つまり、ワクチン非接種者は、イタリア人の習慣といっても過言ではない、バールでのコーヒー一杯ができなくなることを意味します。例えば、コンビニに寄ることが習慣になっている人がいるとして、その人に「明日からはワクチンを接種していなければコンビニに入れない」と言うようなものです。着席しての飲食は、8月6日からグリーンパス(ワクチン接種証明もしくは48時間以内の陰性証明)、12月6日からスーパーグリーンパス(ワクチン接種証明)が必要でした。12月25日からは、ワクチン非接種者は、レストラン、バール立入禁止になります。

2022年1月31日まで、人の集まる屋外のオープンスペースでのイベント、コンサート等は禁止する。
また、2021年1月31日まで、ダンスホール、ディスコ及び同様の施設で行われる活動は停止される。(第6条) 

2021年12月30日から緊急事態終了まで、介護施設やホスピス等への訪問者は、ブースター接種を受けた者及びスーパーグリーンパスと48時間以内の陰性証明(迅速抗原検査または分子検査(PCR検査))の両方を所持する者に限られる。(第7条)

今までも、入院患者へのお見舞いが厳しく制限されていました(お見舞い出来るのは1名のみで面会時間10分だけ、など)が、今後はワクチン接種者でしかも48時間以内の検査陰性証明を持参しなければならなくなりました。病院や介護施設はコロナ以後、監獄のようになり、一度入ってしまうと誰とも会えず、中で何が行われているのか家族はわからない状態になります。病院には近づかないようが無難です。

2022年1月10日から緊急事態終了まで、美術館、文化施設、展覧会、プール、ジム、温泉施設、テーマパーク、遊園地、文化センター、社会センター、リクリエーションセンター、ゲームセンター、ギャンブル場、ビンゴホール、カジノ等の活動へのアクセスは、スーパーグリーンパス所持者にのみ許可される。(第8条)

上記箇所には、ワクチン非接種者は入場できません。

薬局での迅速抗原検査の実施を2022年3月31日まで延長する。(第9条)

簡単に検査できてしまうから、陽性者が増えて、そのほとんどが無症状者であるにも関わらず、「感染爆発」などと報道される。クリスマス休暇前の安心材料として検査を受ける人が大量にいて、結果、先日陽性者数がコロナ発生以来のレコードを記録。ワクチン接種率80%なのに陽性者数レコードってどういうことですか。ワクチンは何に貢献しているのでしょう?

イタリアに入国する者(飛行機、船舶及び陸路での入国)を対象として、ランダムに抗原検査または分子検査(PCR検査)が行われる。結果が陽性の場合、自らの負担で、必要な場合には指定された滞在施設で、10日間の自己隔離を行う。(第11条)

イタリアの場合、「指定された滞在施設」なんてものはなくて、「自己隔離してね」と言われるだけ、隔離しているかのチェックも全くないと思います。その辺りはとてもゆるいイタリア。

緊急政令(第221号)
https://www.gazzettaufficiale.it/eli/id/2021/12/24/21G00244/sg


というわけで、ますます非接種者への差別、迫害が増してきました。テレビからは非接種者を侮辱する言葉がよく聞こえてきます。非接種者はバカだとか、非接種者はエゴイストで社会に迷惑をかけている、とか…。そして一般人も、テレビに影響されて、平気で非接種者を侮辱します。そして、自分が人を侮辱していること、傷つけていることに全く気づいていない。多数が善で正しいと信じ込んでいる。

私も以前はそうだったのかもしれない。マイノリティを平気でバカにして侮辱していたのかもしれない。そういうことに反省しつつ、人間の偽善、内面の汚さ、恐ろしさに気づく日々です。

人の心は何にもまして、とらえ難く病んでいる。誰がそれを知りえようか。心を探り、そのはらわたを極めるのは主なるわたしである。それぞれの道、業の結ぶ実にしたがって報いる。

エレミア書17章9節10節

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