これも毒親あるあるだと思います。
子供が恋愛することが許せない。
うちの場合は、父母ともにその傾向にありました。
それゆえに、私も兄も、文字通り「親から逃げて」結婚しました。
結婚の話はおいおい書くとして、私の恋愛とそれに対する親の反応エピソードを順を追って紹介したいと思います。
小学校5年生のとき、好きな男の子がいました。顔はイマイチでしたが、頭が良くて、面白くて、クラスの人気者でした。その子が好き、という話を母親にすると、母親はその子の外見をやたら批判し、「ブサイクだ、気持ち悪い、あんたの趣味は最悪、頭がおかしい」みたいなことを言われました。
私は、母親に好きな子の話をすることをやめました。
中学、高校でも、好きな子ができたりはしましたが、親の批判が怖くて、親に話もしなければ、彼に告白するとかもなく…。周りでは彼氏を作る子が増え始め、一緒に登下校したりする様子を側から眺めていました。
中学高校時代、たまに男の子から電話がかかってきたり、年賀状や手紙がきたりしたことがありますが、母は私に電話を繋げなかったり、年賀状や手紙を勝手に読んで捨てたりしていましたね…。中高時代、男の子に限らず、私が誰かと電話をしていると、母親はめちゃくちゃ機嫌が悪くなって、「早く切れ」と鬼の形相で催促してきました。その頃は「電話代を気にしているのだろうか?」と思っていましたが、今思うとただ単に、娘が自分の知らぬ外の人間(友達とかクラスメイト)と親しくしているのが気に食わなかったのでしょう…。
電話を繋げないとか、かかってきた電話の相手に「もう電話してくるな」と勝手に言うとか、郵便物を勝手に捨てるとか、今の私なら怒って親に文句を言うところですが、当時の私は、「自分が悪いことをしていて、母は正しいことをしている」と思い込んでいて、母親に怒ることも、文句を言うこともしませんでした。
ばっちり洗脳されていました。
大学2年の時に、初めて彼氏ができました。特別に好きな人ではなかったけれど、悪い人ではないし、私のことを好きだと言ってくれるので、興味本位で付き合いました。
母親に彼氏の話をすると、あからさまに否定はしませんでしたが、私の素行を非難するような、そういう電話とかはかかってきました。夜に自宅にいないと、携帯に電話をかけてきて「こんな時間にどこをほっつき歩いてるんだ!」と怒鳴り散らしたり。ちなみに20歳を過ぎても、実家にいるときは日が暮れる前に帰って来ないと鬼の形相で睨まれ、叱られました。同窓会で友達と二次会を楽しんでいる最中にも電話がかかってきて「何時だと思ってるんだ!」と…。私にとって実家は窮屈な場所でした。
大学時代の彼は、結局、就職で離れ離れになって自然消滅的に終わりました。母親は最後の方は彼のことをストーカーと呼んでいました。この人はすごく出来た良い人だったので、この後も私の人生にしばしば登場しましすが、それはまた別の機会に…。
就職後しばらくして出来た彼は学歴のない人で、もうそれだけで親からは酷い言われようでした。私も、前回の彼氏同様、特に好きではなかったけれど、彼の特殊な環境に興味があって、人間観察を楽しんでいた感じです。前の彼氏もそうでしたが、自分から好きになった相手ではないし、付き合ってみると相手のアラも見えてしまうし、結婚を考えたことは一度もありませんでした。しかし母親は、私が結婚したら困ると思っていたのでしょうか、ありとあらゆる侮辱の言葉を私に投げかけました。お前は馬鹿だ、とか、どうせ野垂れ死ぬ、とか。なんで男の人と付き合って(当時26歳から28歳)、そこまで言われなきゃいけないの?とも思いましたが、まだまだ洗脳の真っ最中。親の思う通りに生きられない自分が悪いのだと思っていました。
この頃はよく、「死にたい」と思ってましたね。
仕事も行き詰まり、私生活もこの通り…。何もかもから逃げ出したくなって、イタリアのフィレンツェに6ヶ月ほど逃亡しました。母親からはフィレンツェにまで恨みつらみの手紙が届いたりしましたが、それもまた別の機会に…。
留学が終わるころ、今の夫と再会しました(実は日本で何度か会っていて、名前を知っている程度の単なる知り合いでした)。その時は、お互いイタリア語と日本語がましになっていて、初めてマトモな会話をしました。そしたらものすごく意気投合して、初めて「この人と結婚したい」と思いました。
日本に帰り、初めて私が「結婚したい」と思えるほど好きになった人なら、きっと母親も喜んでくれるだろう、と母に彼のことを話してみました。母親は駄々っ子のように「嫌だ、嫌だ」と言ってましたね。
それから結婚までは色々あり、苦難の道でした。
結局、彼と留学中に再会してから3年後に私たちは結婚したのですが、私の親とはその半年ほど前から絶縁状態で、親に連絡することもなく勝手に結婚式を挙げました。
親と絶縁した話はまたいずれ…。
ちなみに2つ年上の兄も、好きな人と結婚するために私よりも先に親から逃げました。当時実家暮らしだったのですが、夜中に実家の窓から文字通り脱走して、彼女の家に転がり込み、一緒に暮らし始めて、1年後に結婚しました。
彼も、彼女と結婚したかったのですが、親に猛反対され、両親は兄とその彼女の人格を否定するような発言を繰り返していました。そして親不孝だの何だの言って、子供の心に一生懸命に罪悪感を植え付けていました。
2人いる子供が2人とも逃げていった…。
その事実を前にしても、自分たちが正しいと思い続けている両親。
悪いのは子供。正しいのは私たち。
今もそういう思考回路のようで、いまだに「あんたたちは全然人の言うこと聞かないけどね」など、子供に罪悪感を与えるような発言をします。毒親の人は、悪気もなく、無意識に酷い発言をしているんでしょうね。
もう何を言われても平気、まったく気にしませんが…。