けっこうあるね、父親の話…。ということで第3弾です。
私の父親は全然家に帰ってこない人で、顔を合わせるのは仕事に行く前の朝の一瞬だけ。ほとんどまともに会話をしたこともなく、父と一緒に何かをしたという記憶もほぼありません。そういうわけで、父親と話すのは昔からとても苦手で、何を話してよいかわからないし、話しかけるのもものすごく緊張します。
父親は、世間体を何よりも大切にする人です。私が一時期両親と絶縁したきっかけも、この父親の絶対世間体重視にありました。それまでは私も気づいていなかったのですが、そのとき私は「父親にとっては実の娘よりも他人の方が大事」ということを目の当たりにしてしまったのです。
父親は非常に外面が良く、他人の前では素晴らしい夫、素晴らしい父、素晴らしい祖父を演じています。家ではほとんど家族と話もせず、家族のことなど何一つも知らないのに、他人には「家族が一番大切」と言い、家族のことを自慢げに話しているようです。
父親と面と向かって会話することはほとんどないし、大事な話をしたこともありません。大学の進路だとか、就職先だとか、私が勉強していることや興味のあることについて聞かれたこともありません。たぶん興味なんてないのです。でも、外では子供のことをダシに使って、あることないことを得意げに話していた(いる)ようで…。いわば彼のお株を上げるために、私たちは利用されていた(いる)と言えます…。
イタリアで彼(現在の夫)と暮らし始めた頃、たまに父からメールが届くことがありました。母親と違って、彼を批判することもなく、むしろよき理解者を装ったメールでした。その後、父親も母親と同様、私のことも彼のことも良く思っていなかったことがわかるのですが、そのときは「お父さんは反対していない、受け入れてくれている」と勘違いしていましたね…。今思うと、娘がイタリアで何をしているのか、他人に尾びれをつけてかっこよく話すための、単なる情報収集だったのだと思います。
そんなわけで、娘がイタリアで暮らしていることを自慢げに話していたのでしょう…。私がイタリアに住んでいることを利用しようとする父親の知り合いが現れました。話を聞いているうちに、手に負えない人と気づいたので、彼の要望は聞かずお断りしたのですが、私が断ったことで父親が恥をかいたのか(よくわかりませんが)、激怒した父親から初めてイタリアに電話がかかってきました…。
私、13年ほどイタリアに住んでおりますが、父親が私に電話をかけてきたのは後にも先にもこの1回きりです(母親からも13年間で数回かかってきたかどうか)。初めて父親からかかってきた電話が、私をけなし、すべての非を私に押し付けるものだったので(母親も一緒になって私を非難)、私はこのとき悟りましたね。「あぁ、親は私の味方じゃないんだな」と。
また、日本でfacebookが流行り始めた頃、父親から友達申請が届きました。もちろん許可していません。
私は2007年から2020年まで、私と夫で立ち上げた旅行会社を経営していたのですが、私たちがこの組織を立ち上げたとき、父親は「ガキのお遊び」みたいな扱いをして、私たちの事業をバカにしていました。私は、私がイタリアにいることも、彼(夫)といることも、両親によく思われていないことは知っていたので、イタリアでの暮らしは必要最低限のことしか話していませんでした。その旅行会社のことも全く話さなかったし、ホームページを作っても家族に見せることはしませんでした。
しかし、何年後かに、父親が会社のホームページを発見してチェックしていたことを知りました。私が帰国していた時、ホームページの内容を私に話してきたのです。ゾッとしました…。
他にも、私が日本で一人暮らしをして働いていた頃、趣味で撮った写真を本にして出版したことがあります。その本を作り始めた頃、母親にアドバイスを求めてみたのですが、アドバイスどころか趣味の写真をバカにするような発言(「そんな写真を撮るために、お金と休暇を使って旅してアホみたい」「出版にお金使うなんてバカバカしい」など)をされたので、結局一人で製作、出版をしました。
本が出来上がってみると、父親は「誰々に配るから本を送れ」とか言ってくる…。何だかよくわからないけれど、会う人会う人に私の本を渡して、家族自慢をしていたのでしょう…。本人(私)にはいつも見下した発言をするくせに、他人の前では私の自慢をするのです…。
父親の出身大学に通っていた時も、東京で働いていた時も、大学の進路相談や就職先の相談なんて乗ってもくれなかったのに、通い始めれば、働き始めれば、そのことを外で自慢する。私が何をしているか全くわかってないし、本当は興味もないから私に聞くこともしないのに、他人にはまるで素晴らしい娘かのように宣伝する。
わけわからないです。
私が子供を連れて帰国すると、孫と遊ぶわけでも世話をするわけでもないのに写真だけはよく撮ってくれます…。どうも、その写真をSNSに載せて自慢している様子…。やめてほしいけど、私とSNSでの繋がりはないので、被害は少ないかと我慢。
兄にも子供が生まれて、きっと父のSNS上に晒されているのでしょう。そして父はSNS上で良い祖父を演じているのでしょう…。
さて、こうした父親の行動から、私は外面の良い人、やたらと奥さんや子供の自慢をする人、SNS上で自分の家族の投稿に頻繁にコメントをする人を警戒してしまいます。父親と同じ匂いがするのです…。ちょっと探りを入れてみてください。実際は妻や子供と全然会話をしておらず、家族のことを全然知らないかもしれません…。その家は、本当は全然仲の良くない機能不全家族かもしれません…。
いろいろ書きましたが、もう父に対して怒りはありません。両親のことは、可哀想な人たちだな、と思います。そしてやはり両親ですから、愛情もあります。両親が救われることを切に願っています。