イギリスの作家、C.S.ルイスによる「児童文学」とされるが、大人でも十分に楽しめる、というか、頭の固くなった大人こそ読むべき本。
私は大人になって、イエスを信じた後に「ナルニア国物語」を読んだ。「すごい!」と感動した。ミニ聖書といっても過言ではない。全7巻の中に、創世記から黙示録まで、聖書のエッセンスがもれなく詰め込まれている。そこら辺の職業牧師の話を聞くよりずっと有益だと思う。
出版順に並べると、ライオンと魔女、カスピアン王子のつのぶえ、朝びらき丸東の海へ、銀のいす、馬と少年、魔術師のおい、さいごの戦い、となるが、ナルニア国の年代順に並べると、魔術師のおい、ライオンと魔女、馬と少年、カスピアン王子のつのぶえ、朝びらき丸東の海へ、銀のいす、さいごの戦い、となり、近年では年代順に読むのが通例のようだ。私的には出版順に読むことをオススメする。その方が、伏線回収の楽しみがあるので…。
全7巻、どれを読んでも、神の本質にハッと気づかされる部分がある。一般的には1作目の「ライオンと魔女」が一番人気だが、イエス・キリストを信じる大人なら、どの本にも神を見つけて感動すると思う。私は、圧倒的不人気の「馬と少年」も結構好きだ。ネタバレになってしまうが、砂漠の夜を独りで明かすことになった少年の傍に猫が来て、ずっと一緒にいてくれた、それが実はナルニア国のライオン、アスランだった、という話。神はいつも近くにいてくれるんだよなぁ。目に見えなくても、気づいていなくても。
ナルニア国物語やモモ、星の王子様など、児童書は時に、大人向けの神学書や宗教本よりずっと本質を突いている。牧師の話よりずっと有益な場合もあるので、読んだことのない人はぜひ読んでみて!