イタリアでAT限定解除 2 (教習1回目)

先週の木曜日にAT限定解除の申し込みをして、翌金曜日に公道で運転の練習ができるFoglio Rosa(ピンクの紙)をもらい、月曜日に1回目の教習を予約した。

教習に出かける前にトラブルが発生して、自動車学校に「5分くらい遅れます」と連絡。5分遅れで着いてみると、まだ教官来ていない(イタリアあるある)。10分くらい遅れて教官到着。Foglio Rosaと身分証(私の場合免許)を見せると…

教官「あれ?何でメガネかけてるの?運転にメガネ必要なの?ここ(Foglio Rosa)にメガネ等着用必須ってかいてないんだけど?」

イタリアあるある…。また書類作成時のミス…。イタリアでは重要書類上のミス(名前が違うとか住所が違うとか、その他諸々)は50%の確率であると考えておいたほうがいい。イレギュラーなことを頼んだ場合は90%の確率で間違えられる。悪い予感はほぼ裏切られない。ので、常に要確認…。
よくイタリア旅行のガイドブック等に「イタリアで釣銭詐欺にあった」というようなカキコミがあるけれど、あれは本当に計算ができない故の単純ミスで、悪気はないのだということをこの場を借りて釈明したい。

私「えー?だって先日の運転適性検査(視力検査)で医者はメガネも見てるし、運転時は必ずメガネをかけてねって言われたよ。っていうか私の免許は大丈夫?メガネ着用必須って書いてある?」

教官「免許は大丈夫だわ。でもこのFoglio Rosaじゃ試験受けられないか、正しい免許もらえないから、絶対直してもらっといて。私も言っておくけど」

だって。
ホント、何もかも一筋縄ではいかない。

とりあえず本日の教習はその不適切な書類で決行。

教官「一応免許は持ってるのね。ギアチェンジとクラッチの操作だけを覚えればいいわけね」

私「あ、でもMTは全く運転したことがないので、ゼロなんで。ゼロからお願いします」

教官「はい、じゃあ車(運転席)に乗って」

えーーーっ!?ちょっと待ったぁ!いきなり運転させるのー?最初は安全な場所まで教官が乗せて行ってくれて、そこで発進の仕方とか教えてくれるんじゃないの??

考えが甘かった…。
というわけで運転席に着席。

教官「クラッチを使うときは、停車するとき、ギアを変えるとき、以上。はい、エンジンかけて、ゆっくりクラッチあげて、道に出ましょう」

AT限定だろうが何だろうが、すでに免許を持っている奴は運転ができるものとみなされるようだ…(涙)

教官「はい、2速に入れて。そこ右に曲がってー。はいそこ左」

教官はスマホを見ながら(私用のメッセージで)、コースの指示するだけ…。おーい、もうちょっと丁寧に変速の仕方とかクラッチの使い方とか教えてくれや!!

教官「車は何に乗ってたの?」
私「トヨタのYarisです」
教官「イタリアに来てどのくらい?」
私「14年くらい。日本ではAT車がほとんどだから、マニュアルに乗ることなんてないって言われてAT限定の免許取ったんだけど、まさかイタリアに来ることになるなんて…」
教官「私の彼が日本大好きでさ、この間北野武の映画見てきたよ。すごい良かったわ」
私「あー、北野武の映画は独特ですよねー(私はちょっと苦手)」
教官「彼、日本に行きたがってるけど、私は飛行機に長時間乗るの無理だわ」
私「ITAの直行便がローマから東京まで出てますよ。12時間だけど」
教官「12時間は長すぎるわ」
私「ちょうど今が桜の時期でオススメですよ、やっぱ日本の桜は見て欲しいなぁ。私の子供にもいつか絶対見せたいなぁ」

って、雑談ばっかりかい!
手には相変わらずスマホ。
そして教官、いきなりラジオのスイッチON
運転に集中させてくれー。


教官「はい、じゃぁそこ左に曲がって」
私「(曲がった後)あれ、今のは2速に落とすべきだった?」
教官「そうだね、言うの忘れた」

教官「どの辺住んでるの?」
私「〇〇」
教官「落ち着いたいい場所じゃない」
私「でもアップダウンが多くて、運転するの怖いです」
教官「じゃぁそこ行って坂道発進しましょう」
(ヒェー)

坂道発進はコツを教えてもらって少し恐怖心が和らいだ。坂道で渋滞とか想像するとまだまだ怖いけど(学校の送り迎え時によく遭遇する)。
てゆーか公道なんで、練習って言っても全部一回こっきり。

教官「私が教習するときは毎回ここで坂道発進の練習しましょう。坂道発進は勉強になるから」
私「うちの旦那も、この辺りを走らせて練習してもらえって言ってました」
教官「旦那も日本人?」
私「いやイタリア人です」
教官「イタリアには愛のために(旦那と結婚するから)来たのか、それともイタリアに来ることが決まっていてイタリア人と結婚したのか。どっち?」
私「愛のためです。キリッ(`・ω・´)」

そんなわけで、どこで旦那と知り合って、どういう流れでイタリアに来たのかとか話してしまった…。
ってゆーかこれ、教習中の会話?

教官、スマホをカバンに仕舞う。そしておもむろに化粧を取り出しメイク開始。
ツッコミどころ満載だが、運転に集中していて突っ込む余裕なし…

教官「はい、じゃあそこ右に曲がって学校に戻りましょう。その白い車の後ろで停車して。はい終わり。また次回」


仕事から帰ってきた旦那「どうだった?よくわかった?恐怖心とれた?」
私「なんか全然教えてくれなかったw」

つづく

教習車はFIATのパンダ

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